第8章 Love
「サボ・・・。」
分かっている。
この気持ちは恋だって。
久しぶりかもしれない。
心に愛が存在することが。
それでもまだ伝えられない。
愛が怖いから。
でも逃げてたら何も変わらない・・・。
分かってる。
向き合ってみてもいいよな。
恐れないでいい。
サボになら愛を捧げても・・・
「メラルちゃん・・・。」
「コアラか・・・。」
「本当に大丈夫?」
「いや、大丈夫じゃないかもしれない。」
精神的にな。
「サボ君ともうどれだけ会ってない?」
近くにいるのに避けているせいでもう何日も顔も見ていない。
「さあな。」
「会ってあげて。」
「・・・無理だ。」
コアラが心配そうな表情を変えない。
「最近サボ君ちょっとおかしいの。当り散らしたり一人で泣いてたりしてるの・・・。」
サボが?
あの強気なあいつが・・・?
これも私のせいなのか?
「私にはどうしようもない・・・。何もできない。」
「・・・。」
「悪気はない。私が身勝手なのは分かっている。それでも無理なんだ。」
怖い。
その気持ちが勝つ。
「ううん、私こそごめんね。責めるように言っちゃって。」
コアラがじゃあと言って行ってしまった。
「部屋に戻るか・・・。」
エスメラルダは部屋のベットに寝転がる。
もうどうすればいいかも分からない。
いや分かっている。
サボを受け入れればいい。
でも怖い。
愛を知るのが怖い。
頭を抱え唸っていると
パリーン
隣で何かが割れた音がした。
「サボ・・・何してるんだ?」
気になってしまう。
行きたい。
会いたい。
その気持ちを抑えられなくなっていく。
「っく!」
思い切ってベットから降り、サボの部屋の前に行く。
「・・・。」
でもそこからが問題だ。
心を決めた。
コンコン・・・
「・・・誰だ?」
久しぶりに聞くサボの声。
「・・・っ私だ。」
するとドアが開きエスメラルダは中に引き込まれた。
ギュゥ
「さ・サボ!!」
「・・・。」
きつく抱きしめられ逃げられない。
「もう・・・無理だ・・・・・。」
「な・に・・・・を・・・」
「俺を避けるなよ・・・。」
もしかして傷ついていたのか?
_アイシテモイナイクセニ・・・。_
え・・・。
「は?」
!!
微風!!