第5章 shoot-out
革命軍にエスメラルダと同じ血液型なのはサボしかいない。
サボはいいと言ったがエスメラルダがどう思うかが心配だった。
「とにかく助けないと、サボ君が悪いんだからちょうどいい。」
サボは献血をした。
エスメラルダが献血中に目を覚まさなければいいが・・・。
エスメラルダが目を覚ますことなく無事終わった。
サボは何も言わずに部屋に戻る。
そして部屋の壁を殴る。
「くそ!俺は何てことを・・・」
エスメラルダがサボに吐き捨てた言葉を思い出す。
『てめぇ、ふざけんなよ。殺す気だったんだろ。約束なんて馬鹿げたもの無効だ。もう私の目の前に現れるんじゃねぇ。地獄に堕ればいい。』
エスメラルダの目は怒りと憎しみに燃えていた。
あの言葉は本心だ。
「俺はどうしてあんな狂気になったんだよ・・・。」
サボは我を忘れて降参したエスメラルダを痛めつけた。
何度も何度も血を吐き恐怖に満ちた目でやめろと悲願していたというのに・・・。
サボの怪我はエスメラルダに比べれば大したことはない。
だがそれでも痛む。
サボはその怪我の治療を受けたが包帯を取ってしまったのだ。
「俺はバケモノかよ・・・。」
サボはベットに座り込み拳を握り締めた。
「コアラが来なかったら俺はエスメラルダを殺していた・・・。」
それを考えると恐ろしくなる。
サボの愛情はいつしか途轍もなく恐ろしく大きなものになっていた。
だがきっとエスメラルダはサボを受け入れないだろう。
恐ろしい愛情に包まれるなどサボを一度でも恐怖した者にはできるはずもない。
勿論サボ自身も無理矢理包み込むことはしないだろう。
「フッ・・・俺にはもう希望もないのか?」
好きという想いはもうどうしようもない位膨らんでいる。
「ここで諦められる訳ねぇのに。」
サボは手で顔を覆う。
「悪かったな、エスメラルダ・・・。」
その頃
エスメラルダは重たい瞼を開く。
「・・・ん?ここ、どこだ?」
辺りを見回すが誰もいない。
「ッ痛!」
頭の痛みとともに全ての出来事がフラッシュバックする。
「・・・。」
あの時のサボを思い出し、体が震える。
今もなお思っている。
サボが怖いと・・・