第5章 shoot-out
数分前
ドッカーン
大きな音に反応するコアラ。
「何!今の音・・・。2人とも大丈夫かな。」
コアラは見たくてうずうずしてる。
「ん~、どうしよう・・・行こうかな。」
グワァァァァ
エスメラルダのドラゴンになったときの声だ。
「え!何・・・本当に行ってみようかな・・・」
コアラは意を決して行く事にした。
(凄い声だった・・・大丈夫だよね・・・)
コアラは2人の元へ急ぐ。
近づくにつれて音は増す。
中に入ると目に入ってきたのは倒れるエスメラルダとさらに攻撃しようとするサボだった。
コアラはとっさに
「やめてサボ君!!!」
と叫んだ。
サボは我に返って鉄パイプを落とす。
ガラン・・・
「・・・俺一体どうして・・・・」
エスメラルダは目を開き鋭い覇王色の覇気を咬ます。
サボの体にビリビリと衝撃が走る。
「・・・ゲフッ・・ゴホッ・・・」
エスメラルダは立ち上がりフラフラしながら壁伝いに出口へ向かう。
だがすぐに倒れてしまった。
「メラルちゃん!!」
コアラが駆け寄り肩を貸す。
エスメラルダはコアラに助けられながら出口へ行く。
そして呆然と立ち尽くすサボに向かって
「てめぇ、ふざけんなよ。殺す気だったんだろ。約束なんて馬鹿げたもの無効だ。もう私の目の前に現れるんじゃねぇ。地獄に堕ればいい。」
もの凄い剣幕で罵った。
サボはシルクハットで顔を隠す。
闘技場の床はエスメラルダの血で染まっていた。
赤黒い血で・・・。
コアラは黙ってエスメラルダを救急室に連れて行く。
「だ・大丈夫?」
そっと尋ねた。
「・・・あ、あぁ。だが多分しばらく動けなくなるだろうな。私は一応医療的な知識はある。だから分かるんだ。」
「・・・そう。降参したの?」
「したさ。でもあの野郎止めないんだ。殺されると思った。」
コアラは驚いた。
サボはエスメラルダが好きだと言っていた。
それなのに彼女がこんなボロボロになるまで・・・降参しても攻撃していたのだ。
「ハァハァ・・・」
バタン
エスメラルダが倒れてしまった。
「メラルちゃん!しっかりして!誰か!!来て!!」
コアラの声を聞きつけたくさんの隊員が来た。
「彼女を救急室へ運んで!」
エスメラルダは治療された。
だが、エスメラルダは血が足りないと言われてしまった。