第4章 Revolutionary army
「コアラ、エスメラルダはどこだ?さっきから見当たらないんだ。知ってっか?」
「さぁ。知らないよ。」
コアラは嘘がうまい。
サボも簡単に騙される。
「そっか。どこ行ったんだろ。」
サボはまたふらふらと捜しに行く。
「ねぇサボ君。単刀直入に聞くけどメラルちゃんの事好きなの?」
サボは振り返りコアラと向き合う。
「あぁ。」
初めてあいつを見たときからな・・・。
「ふ~ん。」
コアラはやっぱりと思った。
「なのにどうして闘いを受けたの?好きだったら傷つけたくないんじゃなくって?」
サボは首を振る。
「その逆だ。俺が強い事を示して傷つけてやるんだ。俺が傷跡を残せばあいつは嫌でも俺を忘れないからな。」
コアラは唖然とする。
「・・・。」
こんな返答が来るとは思いもしなかった。
「サボ君って好きなコにはドSになっちゃうタイプ・・・?」
私にはMっぽいもんな・・・。
「そうかもな。ま!応援してくれよコアラ!!」
手を振ってコアラと別れる。
その頃エスメラルダは大きなくしゃみをした。
(噂されてるな・・・。)
やはり相手がいないとイマイチ感覚が掴めない。
「だがコアラに怪我をさせるわけにはいかないし・・・。」
もちろんサボには頼らない。
見返りを求めるに決まっているし手の内を知られてしまう。
(まぁ我慢するか・・・。)
そして一時間後練習を終え汗だくになったエスメラルダはコアラに教えてもらった風呂場へ向かう。
着替えを取りに行く。
誰もいないのを確認すると服を脱ぎ、風呂場へ入る。
「中々いいな。」
シャワーを浴びながら体や髪を洗う。
エスメラルダは能力者のため湯船には浸かれない。
さっぱりして出る。
着替えて下着を着たときに部屋の外で声がした。
「エスメラルダ!!どこ行ったんだよ!」
サボの声に固まるエスメラルダ。
(入るなよ・・・今きたらまずい・・・。)
急いで他の服を着る。
サボが部屋の前から離れた瞬間に抜け出して自分の部屋に戻る。
「危なかった。」
気力と体力に疲れを感じエスメラルダは鍵も掛けるのを忘れ寝てしまった。
サボはエスメラルダが寝たのを見計らい部屋に侵入した。
「こいつ鍵の使い方を知らないのか・・・?」