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光と闇に潜む龍【サボ】

第17章 One more


「じゃ、いいだろ?」

「殴るぞ?」

「んなこと言うなって!」

サボは腕全体でエスメラルダの体を捕らえた。

「・・・離して?」

「ヤダ。」

エスメラルダは引きずられるようにどこかへ連れて行かれる。

「ちょっと待てェ!」

「何で?」

「何でじゃなくて!!」

「いいだろ?」

「サボ・・・お前部屋で何する気だよ!」

「え?他に何があるっていうんだ?」

サボはドアを開けて中に入った。

「今はそういう気分じゃな・・・」

言っているそばから押し倒されて・・・

「お前の気分は俺には関係ないんだぜ?」

黒い笑みを浮かべて顔を近づけるサボ。

「あーっ!!もう知らない!!!」

ドスッ・・・

「ゲホッ!!?」

サボの鳩尾に一発ぶち込んだ。

「そういうのは遠征から帰って来てからにするんだな。」

エスメラルダが部屋を出ようとする。

「逃がすかよ・・・。」

サボが立ち上がってエスメラルダが開けかけた扉を閉めた。

「へぁ!?」

「馬鹿。俺が逃がすかってーの!」

壁に押しやられて逃げ場をなくす。

「本気で無理!!!」

「本気なわけねェだろ?」

「・・・。」

「俺が知らないとでも思ってるのか?」

は?

「何を?」

???

全く思いつかない。

「お前が仕組んだんだろ?今回の遠征。」

「あ・・・。」

バレてたのか?

「やっぱりな。」

「なななな・・・」

「お前が考えてることなんとなく分かったんだ。」

「だったら!」

「だから、その前にしようって言ってんだ。」

ニッと笑って言うサボ。

「分かってない!!」

「ま、いーからいーから!」

「良くない!!馬鹿!!」

サボは言い分を聞かずに口付けてきた。

「あっ、ん・・・・んぅ・・」

何か凄い理不尽な気がする・・・。

理不尽?

不条理?

翻弄されてしまえばおしまいだ。

サボを突き放そうと腕に力を込めた。

「ん?」

サボは口付けたままニヤッと笑った。

そしてエスメラルダの腰に手を回した。

「んあぁん!?・・うぅむ・・・」

しまった・・・。
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