第17章 One more
サボが仕事を終え、机に突っ伏している。
エスメラルダはブランケットをサボにかけた。
そして静かに部屋を出た。
「ふうっ。」
サボにベッタリとつきまわされていたためやっと一人になれた。
「あっ!メラルちゃん!」
コアラがやってきた。
「やっと解放された?」
面白そうに言う。
「そうだな。今サボはグッスリだ。」
「ふふっ、サボ君ほんとにべたべたしすぎよね。」
「コアラからも言っておいてくれないか?」
「えー。幸せならそれでいいじゃん。」
「これを幸せと呼ぶのか・・・。」
「いいのいいの。」
コアラは笑って言う。
「よくはないぞ?」
エスメラルダは苦い顔をした。
「何かあった?」
「いや、別に・・・。」
思っていることはある。
「嘘、隠さないで教えてよ!」
「・・・サボが・・・・しつこい。」
「アハハッ!!そんなことぉ!?」
「結構深刻だぞ?」
「確かに子供っぽくなった気がするね。」
やっぱ思うよな・・・。
「思い切って引き離しちゃう?」
「え?」
「サボ君かメラルちゃんに遠征に行ってもらう。もちろんどっちか片方ね。」
「あぁ。その手があったか。」
「あ、でもメラルちゃんはサボ君と離れるの嫌だよねぇ?」
「なにニヤついてる。」
コアラは悪戯っぽく笑うと続けた。
「メラルちゃんがいいならドラゴンさんにお願いするよ?」
「構わない。」
「じゃあ話しておくね。」
「頼んだ。」