第17章 One more
「なー、もういいだろ?」
「離れたいのか?」
「別にそういうわけじゃねぇけどよ・・・」
「じゃあいいだろ?」
エスメラルダはサボに抱きついたままだ。
「おいおいおい・・・。」
エスメラルダは泣き止んでいるものの目は潤んでいる。
「そんな目で見るなよ。」
エスメラルダは急いで目元を拭った。
そしてサボを離した。
「離してもいいのか?」
「いいなら・・・」
エスメラルダはサボに飛びついた。
「うわっと!」
サボは受け止めた。
「大胆な奴め。」
サボは呟いた。
「ん?」
「何でもね!」
と、そこへ、
「サボ君~!どこよ!!」
コアラの声で2人はパッと離れた。
「あ!いたいた!!書類処理班がさっさと報告と調査結果を出せって言ってるよ!?」
コアラはサボに怒鳴った。
「忘れてたー!エスメラルダ行くぞ!!」
「私はペットじゃない。」
サボに来いと言われてついていったら本気でペットだ・・・。
「何言ってんだ!?行くぞ!」
サボに無理やり引っ張って連れて行かれた。
「サボぉ!!」
「お前は俺といるのがいやか?」
そんなことを聞かれてはそうだとは言えない。
「嫌じゃない。」
「じゃーいいだろ?」
「さっき私が言った気がするんだが・・・。」
「ま、いいからいいから!」
そのままサボのワガママに付き合わされるのであった。