第3章 Bloody dragon
エスメラルダは甲板にいた。
痛む頭と足を労わりながら。
「何故私を必要とする?」
その言葉は虚しく響く。
すると足音がしたと思えば後ろにサボがいた。
「何だ?」
エスメラルドは向かい合う。
「いや、用はないただ気になっただけだ。」
「だから何が気になったのだ?」
エスメラルダはイライラしながら言う。
「お前がだよ!」
サボはエスメラルダを抱き寄せた。
「何す・・・!離せ!!」
エスメラルダは抵抗するがサボの力には敵わない。
「身を任せろ。誰かを信用することをしてみろ。」
腰と後頭部に手を回す。
「ふ・ふざけるな!!離せ!!」
サボは離さない。
「サボ君!?何やってんの!!?」
コアラが通りかかった。
サボは驚きエスメラルダを離す。
「サ~ボ~君?」
コアラはサボの手を引き行ってしまった。
おかしい。
なんでこんなに胸が高鳴るんだろう。
あんな奴のどこが・・・いいんだ?
エスメラルダは部屋へ戻って行った。
そのころサボはコアラに説教をくらっていた。
「あれほど言ったのに!!何で襲うのよ!!」
「別に襲ってなんか・・・」
「嫌がってたでしょ!?」
「抵抗しなかったんだ!」
「あんたの馬鹿力のせいよ!」
そんな感じでサボは10分くらい怒られていた。
サボは懲りずにエスメラルダの部屋へ向かう。
「入るぞ。」
返事を待たずに部屋へ入る。
「出てけ。」
エスメラルダは布団を頭からかぶる。
「断る。さっきの続きやってやる。」
その言葉に飛び起きるエスメラルダ。
「な・いい!結構だ!出てけ!!」
だが逃げる間もなくサボの体に捕らえられる。
「コアラ呼ぶぞ。」
「させねぇよ。」
エスメラルダは思いっきり息を吸い叫ぼうとした。
だが・・・
気がつけば唇をサボに奪われていた。