第3章 Bloody dragon
目を開けると目の前は天井があった。
頭を起こそうとしたら頭に激痛が走る。
「ッ痛!」
エスメラルダはここが船の上だと分かった。
手には海楼石の腕輪が嵌められている。
「くそ!何でこんなことに・・・!」
誰かが部屋に入ってきた。
「起きたか?」
シルクハットが目に焼きついている。
サボだ。
後ろからコアラもついてくる。
「ごめんね、手荒な真似して。私はコアラ。」
コアラは名乗った。
「おい、何のつもりだ?」
サボを睨みつける。
「お前は俺に負けた。だから連れて来ただけだ。」
「入隊をさせる相手を痛めつけてか?」
エスメラルダは頭を触る。
「ごめんね、サボ君馬鹿だから・・・手加減ってものを知らないのよ。」
コアラがサボの耳を引っ張る。
「いててて・・・それに関しては謝る。」
コアラはサボを離す。
「ま、でも勝負は勝負だし、お前は俺に従うよな?」
サボはエスメラルダのベットへ座る。
「ふん。きたない勝負だった・・・。」
顔を逸らす。
「認めるのかどうか言えよ。」
サボは無理やり自分の方を向かせる。
「分かった・・・認める。煮るなり焼くなり好きにしろ。」
サボは満足したようだった。
「ならいい。」
サボはエスメラルダの頭をそっと撫でた。
「子供じゃない。そういうのは止めろ。」
エスメラルダは振り払う。
「サボ君?一体何をしているの?」
コアラはサボをベットから引き降ろす。
「好きにしろって言ったよな。」
サボの目はまるで獣のようだった。
エスメラルダは身震いすると目を閉じた。
そしてそのまま眠りに着いた。