第3章 Bloody dragon
「ん!んぅ!!」
サボは離れてくれない。
キスをしたことのないエスメラルダは息の仕方が分からない。
口の中に侵入するサボの舌は音を立てて口内を貪る。
「ふあぁ!んんぅ!!」
はしたない息が出てしまう。
だがその感覚に囚われて体の力が抜けてしまう。
サボはそれさえ知っていてよりきつく抱きしめる。
そしてようやく唇を離す。
「ハァハァ・・・。」
嫌だったと言おうとするができない。
ただ何が起きたかは分かっている。
泣きそうになった目でサボを見る。
サボは落とした帽子を拾っていた。
そしてエスメラルダの視線に気付き
「キスしたことないんだな・・・意外。」
「あ・ある訳ない!」
「じゃ、俺が初めてか?」
「うぅ・・・。」
エスメラルダは顔を背けた。
「俺のことは・・・信用してくれていいからな。」
いきなり何をと思えばサボは切なそうな顔をしていた。
「どうかしたのか?」
「何が?」
サボは一瞬で元の顔に戻った。
「キスどうだった?]
は?
デリカシーのない奴め。
「馬鹿かお前は!!そんなこと誰が言うか!っていうか、してきたのそっちだろ!!」
「感想言えよ。」
サボは詰め寄ってくる。
「言わなきゃ襲うぞ。」
意味不明なんだけど・・・。
「う・・・何て言えばいいか・・・」
エスメラルダは赤面する。
「選択肢をやるよ。良かったか、良くなかったかでいい。」
そういう選択肢ってなしだろ!!
「・・・・・・・・まぁ、・・・悪くはなかった・・・。」
サボは口元を上げ
「もう一回するだろ?」
と言う。
「馬鹿、私は眠いんだ!誰かさんのせいで体が痛いんだよ!」
サボは諦めようとしない。
「悪くないってことは良かったってことだろ?だったらいいじゃねぇか。」
エスメラルダは布団をかぶる。
「出て行け!!」
「どうかしたの?」
エスメラルダの声にコアラがやってきた。
「コアラ、こいつを連れてってくれ!寝かせてくれ!!」
コアラは怪しげにサボを見るとサボの手を引き部屋から出る。
「いいなさい!メラルちゃんに何したの!?」
「メラル?」
「彼女のことよ!!話し逸らさない!」
「別に・・・何もしてねえって。」
「ふ~ん、じゃ、明日聞いてみる。それよりあんたは・・・
サボはまた怒られるのであった。