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【銀魂】万事屋のお隣さん。

第1章 出逢いと始まり



「あ〜〜その、悪かったな…」
「いえ気にしてませんから」
「イヤ気にしてんだろ!その顔やべェよ、眉間に皺っていうか溝だよそれ!谷間のようだよ!!」

お登勢さんが言っていた通りの人だった…というか、それ以下の人だった。今まで生きてきた中で、初対面の人に顔面に吐瀉物を吹きかけられたなんて話聞いたことない。
あの後、事の重大さに気付いたらしく、私を風呂場へ押し込んだ。吐く前より幾分か良くなった顔色で、でもそれでも冷や汗を垂らしながら。
シャワーを浴びて脱衣所に出れば、比較的小さめの着流しが置かれていた。それに着替えて外に出ると、男はソファーに寝転がりジャンプを読んでいた。でもそのジャンプ、反対ですけど。

「シャワー、ありがとうございました」

そして、文頭に至る。

「……私、隣に引っ越してきました紗倉美和です。…………宜しくお願いします」
「宜しくまでのその間なに!?ほんとすいませんでした反省してますゥゥ!!」

彼の名前は坂田銀時。ここで万事屋という所謂何でも屋を営んでいるらしい。渡された手書きの名刺を眺めて、名前を反復する。坂田、銀時。

「まあ悪ィことしちまったし、初回はタダにしてやるよ。近所のよしみもあるしな」
「……ありがとうございます」
「…お前、もうちょっと笑えば?ガキなんだからよ」

「………誰がガキですか!!!私はもう20歳です!バカにしないでください!!」

言うだけ言って、思い切り走り出し坂田さんの家を飛び出した。自分の家に駆け込み、はぁっと息をついた。


あ。着物忘れた。
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