第1章 ぷんすけ
藍(アイ)side
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放課後、いつものように帰る支度をしていると、
ちなつが急に寄ってきて…
「藍、今日ゲームセンター寄って帰ろ?」
と言ってきた。
…………イヤな予感がする。
お互い高2にもなってゲーセンって……
ちなつは、幼い頃、腎臓の手術をする関係で長期入院していたらしい。
そのせいもあってか、子どもっぽいところが結構ある。
まぁ…、それはそれで、ちなつらしくて好きだ。
けど、ゲーセンなんて中学のとき以来だわ、オレ。
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「ねぇ藍、…これ取って?」
でた。
ちなつの上目遣い。
これは本当に欲しい物をねだるときだけ、ちなつがオレに使う得意技。
一台のクレーンゲームの前で、キラキラと瞳を輝かせるちなつ……。
……ハァ
どうせそんなことだろうと思ってましたよ、オレは。