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【黒子のバスケ】ミルフィーユ【逆ハー】

第8章 海常高校


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「それではこれから、誠凛高校対海常高校の練習試合を始めます!」

(いよいよだぁ……)



海常側で自分の話をしていた事なんて全く知らない私は、カントクの隣に座ってコートを眺めていた。


頑張ってねと思うけど、テツヤくんの薄さに皆が驚く光景を目にしてちょっと笑ってしまう。



(あ……やっぱり涼太くんはベンチスタートなんだ……)



整列の中に涼太くんが居ないなと思い横に視線を移すと、彼は向こうの監督と何か話しながら座っていた。

着替える前、海常の監督が「お前は出さない」と言っていたのを耳にしてはいたが本当だったとは。


完璧にウチをなめてるからムッとする。



「……!」
(うわぁ……相手の選手、全員フィジカル凄いな……)

「もわかる……?これはちょいとヤバいかもしれないわ……」



涼太くんをずっとベンチには居させない。
まだやってもないのに、最初から見下してくるなんて失礼だ。


と考えながら(んもう……)と口を尖らせた時、さあ始めようかと位置についた海常の選手達を見てビックリ。


カントクみたいに数値でみるという特技は私にはないけど……
ただ見ただけでも、ウチよりは上だなとわかるくらい皆鍛え上げられていた。



「黒子くんと火神くん……2人がどこまで通用するかしらね……」

【そうですね……でも私は信じてます】



自分は声を出して応援する事が出来ないから、ここからただ見つめているしかない。

でも心ではちゃんと声援を送る。
それがコートに立つみんなに届くように。

たとえ涼太くんが出てきても、ウチは必ずやってくれると私は信じていた。



(そうでしょう?テツヤくん……)



開始前彼に「見ていてください」と言われていたから、始まりはテツヤくんを視界に入れていた私。


誠凛は強いよね、見せつけてあげて。


そう思いながら見つめていると、テツヤくんは早々に海常の主将からボールを奪った。

もちろんミスディレクションを使っての事だけど「一本きっちりいくぞ!」と言っていた相手の主将の言葉を一瞬で無にした彼に、私は思わず(やったぁ!)と口を動かす。



(あっ……やっちゃった)



この行動は、興奮したり気持ちが高ぶったりするとついやってしまう。

周りから見たらただの口パクだけど。
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