第6章 星をさがしに(国見&金田一)
「あ……。」
ぼんやりと眺めていた目の前で、光の筋が流れた。
「今の見たか?」
金田一が呟く。
「みた。あんなはっきり見えたの久しぶりかも。」
「だよなー……。」
そこまで会話をして、俺は気になったことを口にする。
「凪沙、寝た?」
「だな。」
俺たちは凪沙越しに顔を見合わせた。
「今日は凪沙かー。大抵寝るのは国見なんだけどな。」
「起こす?見たかったって後で文句言われるかも。」
「俺やだよ。こいつ寝起き悪いし。」
「だよな。」
俺たちは再び空に視線を戻す。
「さっきお前さ、そういうの興味ないって言っただろ。」
「うん。」
「それって、たとえば相手が凪沙でも同じか。」
「あー、お前凪沙のこと好きだもんな。」
俺がなんともなしに言うと、予想通り金田一は慌てた。
「は?お、お前何言ってんだ!?」
「大きな声出すと凪沙起きるよ。」
「……俺のことは、別にいいんだよ。
お前はさ、どう思ってるんだよ。」
「どうって。別に。」
俺の気のない返事に、金田一はため息をつく。
「別にって、お前なあ。俺は、凪沙のことは大事だけど、
こいつが三人でいるのが一番楽しいって思ってるからには、それを崩すつもりはねえよ。
でも、お前の考えてることも聞きたいなって思っただけ。」
ああ、俺と同じでこいつも俺の気持ちなんてとっくに気づいてたってことか。
当たり前だよな、俺たちは膨大な時間を共にしてきたわけで、
しかも金田一は単純でお人よしだけど、決してバカじゃない。
「うん。俺も同じだよ。多分凪沙は、まだそういうこと理解してないから。」
「だよなー……高校入ったら変わるかな。」
「かもね。」
「そしたら勝負だな。」
「やだよめんどくさい。」
今度は俺がため息をつく。