第18章 何度目の青空か(木兎 光太郎)
「木兎さん、怪我はもういいんですか。」
朝練にやってきた木兎に、真っ先に声をかけるのは赤葦。
「おう。なあなあ赤葦!今日から俺ストレート練習する。めっちゃ練習するから!」
それは、その分トスを上げるのを付き合えという意味合いだ。
赤葦は小さくため息をついてから、それでも少し嬉しそうに答える。
「わかりました。うまくいかなくてもしょぼくれないでくださいね。」
そんな二人のやりとりを見て、他のみんなもほっとする。どうやら木兎の不調は解決したようだ。
「木兎やっと復活したなー。」
「単細胞なんだから、難しいこと考えないで練習練習!」
「ほらいくぞ、エース。」
仲間に鼓舞されて、木兎はボールを手にコートに立つ。
「俺、絶対超スゲー選手になる!」
あの日の彼女との約束を胸に……。
「何度目の青空か」Fin.
→おまけあります。