• テキストサイズ

【ハイキュー】短編中編つめあわせ

第18章 何度目の青空か(木兎 光太郎)


ガン!!


木兎がロッカーの扉を乱暴に閉めると、その大きな音に周囲のみんなの視線が集まる。

「クソ!!!」

ここ最近、木兎は調子が悪く、試合に出れば得意なクロススパイクをことごとく止められている。
イライラするのも無理はない。

それに加え、今日は練習中に指を捻挫し、休養を言い渡されてしまった。

通常であれば指の捻挫なら基礎練習には参加するのだが、精神的に荒んでいた木兎の様子を加味しての判断だったのだろう。

「木兎、そんなカリカリしたって仕方ないだろ。スランプくらい誰にだってあるって。」

同じ2年の小見が気を使うと、他の2年勢も代わる代わる声をかける。

「そうそう。少し落ち着け。たまには休めってことだよ。」

「木兎は俺らの年代じゃ有名人だから、研究されて当然なんだよ。また作戦たてて、練習してこうぜ。」

「頼りにしてるぜ、エース。」

根が単純な木兎のプライドをくすぐる言葉を並べるチームメイトたち。

「……分かった。」

険しかった表情を少し緩ませて、木兎は小さく返事をした。

手早く制服に着替えて、荷物をまとめる。
/ 214ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp