第13章 とうふの日(菅原&岩泉)
「わりいな、待たせたか?」
「いや、全然。」
重そうな鞄を持った岩泉を見て、菅原は聞く。
「今日5限までだっけ?」
「そう。疲れたわー。小テストも多いし、結構大変だぞ大森先生の講義。」
「へー。でも岩泉、代返しないし1限からみっちり入れてるし、
真面目にやってるよなー。」
菅原が感心しながら、何飲む?と、メニューを渡す。
「そりゃそうだろ。親に学費出してもらってるんだから、
ちゃんと勉強しないと大学行った意味ないべ。」
「俺、将来岩泉みたいな息子がほしい。」
「お前って時々良くわからない冗談言うよな。
……俺ビール。お前は?」
「俺もう決まってる。すんませーん!」
菅原は店員を呼んだ。
「生ひとつと、シークワーサーサワーひとつ。」
オーダーを取りにきた店員にそう告げる。
「食べ物適当に頼んでいい?」
菅原がそう聞くと、岩泉はおう、と頷く。
「揚げ出し豆腐と麻婆豆腐と、湯葉ちりめん、
豆腐と海老のコロッケ、串揚げ盛り合わせ……
とりあえずそれで。」
店員は注文を確認して店の奥へ戻って行った。