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【ハイキュー】短編中編つめあわせ

第2章 ハッピーアンブレラ (日向 翔陽)


部活を終えて、みんなと帰ろうとしたら傘がないことに気付いた。

確か教室に置き傘がったからと、俺はみんなと別れてひとり校舎へ戻った。

そこまではよかった。

いつもロッカーに入れていたはずの折り畳み傘が見当たらない。

先週、同じクラスの加藤に貸して、そのまま返してもらっていないことを思い出す。

「あー、マジかよお。」

俺の叫びもむなしく。雨は容赦なく振り続けている。

こんなことなら影山にでも入れてもらえばよかった。
と後悔しながら、日向は肩を落とす。

バス停まで走って、そこから家までバスかな。

そう覚悟を決めて、昇降口から足を踏み出そうとしたとき

「あれ?日向じゃん。」

背後から声がかけられた。

「早川?」

クラスメイトの早川が一人佇んでいた。

「今帰り?おつかれー。」

そう言って彼女は笑顔を見せた。

「おつかれ。早川も部活?テニス部だっけ。」

早川とは席も近いし、普段から仲が良かった。

「うん。でもこの雨だからミーティングだけどね。
ていうか、ほとんどだべってた。」

えへへと笑いながら早川は俺と並んで外を眺める。

「よくふるねえ。」

その言葉に、俺は頷く。

「入ってく?持ってないんでしょ、傘。」

彼女は淡いブルーの傘を開いて、そう言った。

「いいの!?たすかる!」
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