第14章 大規模侵攻の準備
レプリカ『近界民の世界……すなわち近界に点在する「国」はこちらの世界のように国境で分けられているわけではない。
近界の殆どを占めるのは果てしない夜の暗黒であり、その中に近界民の国々が星のように浮かんでいる。
それらの国々はそれぞれ決まった軌道で暗黒の海を巡っており、ユーマの父ユーゴはそのあり方を「惑星国家」と呼んだ』
夏海「惑星……国家………」
レプリカ『そうだ。
その惑星国家は太陽をまわる惑星の動きとは少々異なるが、惑星国家の多くはこちらの世界をかすめて、遠く近く周回している。
そしてこちらの世界と近づいたときのみ遠征船を放ち門を開いて侵攻することができる。
「攻めてくるのはどこの国か」その問いに対する答えは「今現在こちらの世界に接近している国のうちのいずれか」だ』
鬼怒田「そこまではわかっとる!
知りたいのは『それがどの国か』!その『戦力』その『戦術』だ!」
レプリカ『どの国がそうなのかを説明するにはここにある配置図では不十分だ。
私の持つデータを追加しよう。
リンドウ支部長』
林藤「OKレプリカ先生。
宇佐美よろしく」
宇佐美「あいあいさー」
宇佐美先輩がタブレットを操作すると、部屋の中心にあった小さな配置図が一瞬にして大きくなった
その場にいるほとんどが、その大きさに驚愕した
私もそのうちの一人だった
夏海「わぁーお……」
レプリカ『これがユーゴが自らの目と耳と足で調べあげた惑星国家の軌道配置図だ』
陽太郎「おおー!でかい!」
鬼怒田「これは……!」
忍田「さすがは有吾さんだな」
三雲「これが……近界民の世界の地図……!」
レプリカ『この配置図によれば現在こちらの世界に接近している惑星国家は4つ。
広大で豊かな海を持つ水の世界
海洋国家リーベリー
特殊なトリオン兵に騎乗して戦う
騎兵国家レオフォリオ
厳しい気候と地形が敵を阻む
雪原の大国キオン
そして
近界最大級の軍事国家
神の国アフトクラトル』