第10章 黒トリガー争奪戦
さっきとは違い私は迅さんの援護に回った
迅さんの狙いはトリオン切れで撤退させること、なので本気を出していない
太刀川さんもそれが気になったのか
太刀川「どうした迅。なんで風刃を使わない?何を企んでる?」
というが迅さんは答えずに、攻撃を受け流す
太刀川「ずいぶんおとなしいな迅。昔の方がまだプレッシャーあったぞ。それに朝霧もさっきまでとは違っておとなしくなったな」
菊地原「まともに戦う気なんかないんですよ。この人たちは単なる時間稼ぎ。今頃玉狛の連中が近界民を逃がしてるんだ」
風間「いいや。迅は予知を使って守りに徹しながらこちらのトリトンを確実に、削っている。そして、朝霧のさっきの攻撃…こいつらの狙いは、俺たちをトリトン切れで撤退させることだ」
歌川「……!?」
迅「あらら……」
夏海「…さすが風間さん…鋭いですね」
太刀川「……なるほど、あくまで俺たちを帰らせる気か。『撃破』より『撤退』させた方が本部との摩擦が小さくて済む」
風間「戦闘中に後始末の心配とは、たいした余裕だな」
菊地原「風間さん。やっぱりこの人たちは無視して玉狛に直行しましょうよ。僕らのターゲットは黒トリガー。この人たちを追い回したって時間の無駄だ」
風間「確かにこのまま戦っても埒が明かないな。玉狛に向かおう」
夏海「迅さん」
迅「やれやれ……やっぱこうなるか」
迅さんはそう言うと風刃を起動させて横に振った
太刀川/風間「!!」
太刀川さんと風間さんはいち早く反応して、ガードしたが、歌川君と菊地原君は反応できず、菊地原君の頭がからだから離れた
菊地原「え…………」
《戦闘体活動限界緊急脱出》
ドンッ
太刀川「出たな、風刃」
迅「夏海。仕方ない、プランBだな」
夏海「了解!」