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ワールドトリガー~大切なもの~

第19章 過去の真実




屋上に来てどれぐらいたっただろうか



迅さんは気持ちを落ち着かせるように空を見上げては時折、顔を歪めている
何か未来が見えているのか



私は迅さんが話し出すのを待った
私も迅さんに倣って上を向く
空には星が輝いているが霞んでいる気がするのは気のせいだろうか



迅「……夏海……」

迅さんが口を開いた
その声は少し掠れている

私は返事の代わりに迅さんの方を向いた


迅「……俺は……夏海の師匠でいる資格はない…」

夏海「……どういうことですか?」

私の口調は自然とキツくなるのが自分でもわかった

迅「……夏海は悪くない………。悪いのは………俺だ」

夏海「どういうことですか?」

迅「大規模侵攻のとき………お前の家族を見捨ててお前をあそこから避難させたのは………俺だ……」

ドクン

私の心臓の動きがだんだん速くなっていく
必死に息を整えようとするが、うまくできない

迅さんは苦しそうにこちらを見ていた

夏海「……迅さんが………あのときの……」

声が掠れる
喉が引っ付いて閉まっているように声がでない

迅「俺はあの日の前日、お前を町で見かけた……。
その時お前は家族といてその人達の未来も見えた……。

夏海は俺が助けなければ死んでしまう。父親は俺が助けたとしても傷が治らずに死んでしまう。
母親と弟は……どうやっても助けられない………。

そういう未来だった……。

でも、夏海を助けることで、かなり先の未来、ボーダーが大きく変わる………そういう未来も見えた。

俺はその瞬間お前だけは必ず助けることに決めた……」

夏海「………」

迅「そしてついに、ネイバーが攻めてきた。

俺は決めた通り夏海を助けようと夏海の家に向かっていた。
だけど、その時未来が変わった。

夏海の家族が助かるかもしれない………。

俺は急いで夏海の家に向かった。一人でも多く救いたい。その気持ちは俺の責任としても感じていた。

けど、俺は焦って回りがよく見えていなかった。
いつの間にかネイバーに囲まれてて、時間がかかった。

そして、夏海の家についたときには……もう……遅かった………。

今にも夏海は砲撃されそうになってて俺は夏海のもとに降りて夏海を抱えると急いでそこから離れた。

もちろん夏海を救えたが、夏海の家族は………砲撃に巻き込まれた……」

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