第17章 ボーダー復帰
夏海「あ!忘れてた」
烏丸「何を?」
夏海「五月のとこに荷物があるんだった」
すっかり忘れていた私は五月の家に向かう
インターホンを押すと私の荷物を持った五月が出てきた
夏海「え?何で私の荷物?」
五月「烏丸たちのこと信じてたからね。
ごめんね、夏海。裏切るようなことして」
夏海「ううん、いいよ。五月が私のことを思ってやってくれたって分かってるから」
五月は照れ臭そうに笑った
私たちは五月から荷物を受け取って支部に帰った
夏海「小南先輩怒ってるかな……」
烏丸「そんなに心配しなくても大丈夫だろ」
夏海「皆には迷惑かけたね。修は退院したばっかりで忙しいだろうに」
烏丸「修は自分のことより夏海を心配してたからな」
夏海「あはは、修らしいね」
ガチャ
玄関をあけるとそこには支部の仲間たちがいた
中には迅さんまでいる
夏海「迅さん。この未来が見えてたんですね」
迅「まあな。でも、最悪の未来も見えてたから、京介のおかげだな」
迅さんはそう言って京介を見た
京介は口元に笑みを浮かべているだけだった
小南「夏海っ!!ほんっとにバカなんだから!!」
小南先輩が口調は厳しいが優しく抱き締めてくる
私はその優しさにまた涙が出そうになったがなんとかこらえて小南先輩を抱き締め返した
夏海「すみませんでした。小南先輩」
そういうと小南先輩はポロポロと泣き出した
宇佐美「小南ー泣かないの!夏海ちゃんが困ってるでしょ!」
そういう宇佐美先輩も目尻に涙を溜めていた
木崎「お前ら、まず言うことがあるだろ」
小南「ぐすっ……本当だ」
私は何のことかわからなくて首を傾げる
「「「「おかえり!!」」」」
夏海「……っただいま!!」
空閑「夏海先輩。また相手してよ」
夏海「もちろん!でも、簡単に勝てるとは思わないでね?」
空閑「そっちこそ」
夏海「ふふっ………楽しみにしてるね。
それと、修。修も大変だったのにごめんね」
修は昨日病院から直接ボーダーの記者会見に出ていた
それは五月の家で見ていたため、根付と記者たちに怒りが沸き上がったのを覚えている
三雲「いえ、僕は一週間ゆっくり眠りましたから」
夏海「……ありがとう。千佳も無事で良かった」
雨取「おかげさまで」