第17章 ボーダー復帰
けれど、その封じ込めた映像を私はこの間見ることになった
この間の大規模侵攻の時、出水先輩たちと人型と交戦しているとき、視野を広げたときに私はC級隊員が拐われるのが見えた
だが、私は自分の戦いに集中することにした
そうしなければ、人型を倒すのが遅れるかもしれない
私の今のやるべきことを考えた上での行動だった
………でも、それは間違いだったのかもしれない
もし、そこで助けに行っていれば拐われてしまった人も助けることができていたのかも………
緑川「そんなこと…………!!」
夏海「………………いま後悔しても遅いっていうのはわかってるよ………」
そして、私は倒れ病院で目を覚まし、出水先輩に拐われたC級隊員の人数を聞いて、頭のなかにC級隊員が拐われる映像、そして、封じ込めていた第一次大規模侵攻の時の映像が駆け巡った
その日から私はまともに眠れなくなった
30分以上寝ると、恐ろしい夢を見るから………
そして、自分を責め立てた
どうして、見てるだけだったんだ………って
四年半前となにも変わってないじゃないか………って
だから、私はボーダーを辞めようと思った
いても、なにもできない
足手まといになるだけだっ……て
夏海「…………ごめんなさい…………嫌な話して……」
私は涙を拭って前を見ると駿くんと、佐鳥くんは泣いていた
風間「話してくれてありがとうな」
太刀川「これからはいつでも頼れよ」
三輪「………話ぐらいなら聞いてやる」
時枝「俺たちも力になるから」
菊地原「………まあ、誰も迷惑だなんて思わないし………?」
夏海「………ありがとう」
出水「…………あのとき悪かったな」
夏海「いえ、…………いつかは向き合わなければいけないことでしたし……」
烏丸「…………大丈夫か?」
夏海「……………うん、大丈夫……。
話したからかな……?スッキリしたよ…」
米屋「もう辞めるとか言うなよ?」
夏海「はい。…………って駿くん。泣きすぎ」
緑川「………だって……!」
夏海「泣かないの!男でしょ!」
菊地原「もう、どっちが男かわかんないね」
夏海「なにそれ!どこをどう見たら私が男に見えるわけ!?」
歌川「二人とも……………」
菊地原/夏海「………フンッ!」
その時、頭に手を置かれて振り向くと京介が苦笑していた