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ワールドトリガー~大切なもの~

第17章 ボーダー復帰


その言葉に皆が安堵の溜め息をつく

烏丸「例え夏海が弱くても、強くてもピンチの時は皆で助ける。

だからそこまで強さにこだわらなくていいんだ。
夏海は夏海だろ?」

皆が私を見て微笑んでいる

夏海「京介………皆……。私……」

いつの間にかまた涙が出ていた


ギュッ

夏海「えっ………!?」

私は京介に抱き締められていた
涙が服にシミを作っていく

夏海「京介………服が濡れちゃう……」

だが、京介はさらに力を込めた

烏丸「もう一人で抱え込むな」

夏海「……………うん……。

…………私………ボーダー続けるよ」

緑川「本当!?夏海先輩!!」

私は涙を拭って振り返り微笑んだ

夏海「うん。駿くん相手してくれる?」

緑川「もっちろん!!」

駿くんは私に抱きついてきた
私も駿くんを抱き締め返す

だが、次の瞬間何かに怯えるようにサッと離れた

夏海「どうしたの?」

緑川「い、いや!なんでもないよ!」
(烏丸先輩………超怖い……)

私はちょっとショックだったが頭に重さを感じて振り返る

烏丸「夏海…………昔何があったか教えてくれないか?
あと、病院で苦しそうにしてた理由も………」

夏海「…………え………」

烏丸「いや……話したくなかったら「………わかった。………聞いてくれる?」………!ああ…」

歌川「病院………?」

緑川「夏海先輩が苦しそうにしてた理由………!」




夏海「私は…………第一次大規模侵攻の時、目の前で家族全員を殺された………」

三輪「家族…………全員……」


私は頷いて話を続けた



私の目の前で家族が殺されたとき、ボーダーの誰かが私を抱き上げ、その場から離れた


その時だった

このサイドエフェクトが使えるようになったのは………

多分、その時の状況を知ろうとして使えるようになったのだと、あとから私は思った
今でも、何故その時突然サイドエフェクトが使えるようになったかわからないけど

だけど、その力はあのとき初めて見るには残酷すぎた

そして、三門市に落ち着きが戻った頃、私は自己防衛としてサイドエフェクトで見たものを心の奥に封じ込めた

けど、家族がいないことはどうしても忘れられなかった

…………そんなこと当たり前
もう二度と家族の笑顔が見れない
一生一人で生きていかないといけないから………



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