第17章 ボーダー復帰
私は陽介先輩の声に我に帰った
陽介先輩を見据える
米屋「はっ!この感じ久しぶりじゃん!」
陽介先輩は楽しそうにこっちに走ってくる
私もそれに応じて駆け出した
夏海「旋空弧月!!」
走ってる間にも攻撃を仕掛ける
陽介先輩はそれをかわしてどんどん距離を詰めてくる
私は弧月を前に構え直した
陽介先輩の槍が首もとを狙って攻めてくる
私はそれをさばきながら次の手を考えていた
夏海「アステロイド!」
体の周辺に弾丸を出す
それを陽介先輩向けてうった
弾速重視にしたため少し威力は劣るが、陽介先輩足をかすめた
夏海「私には銃型トリガーがあるのを忘れないでください」
米屋「面白くなってきたじゃん?」
夏海「どうして疑問形なんですか?」
米屋「お前は楽しいか?」
夏海「………楽しい……です」
私は小さい声で、でもはっきりとそう言った
陽介先輩にも聞こえたようだ
米屋「それは良かった。………でも勝たせてもらうからな!」
ニカッと笑ったあとニヤッと笑った
夏海「私も負ける気はありません」
私たちは再度ぶつかった
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烏丸side
太刀川「動きが鈍ってる」
風間「仕方ないだろう。一週間近くトリガーに触れてもいないんだからな」
三輪「けど、鈍ってるとはいえ陽介相手にあそこまでやれるとはさすがだな」
時枝「ここにいる人たちとやっている間にまた感覚が戻ってくるんじゃないですか?」
緑川「ボーダー、続けてくれるかな?」
風間「祈るしかないだろうな」
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五本勝負の結果は3-2で陽介先輩の勝ちだった
私たちは皆のところに戻っていく
夏海「…負け…か…………」
やっぱりダメだ
米屋「やっぱり自分は弱い…………とか言うなよ?
お前は一週間近くトリガーにさわってなかったんだ。俺から二本とれた方がすげーくらいなんだぞ」
夏海「そんなことないですよ。私は
「あーもう!!お前は弱くねーんだよ!」
………!」
陽介先輩は私の肩を掴んで真っ直ぐ私の目を見ていった
私は見てられなくて目をそらす
それを見ていたのか皆がこちらに歩いてきた
風間「最後の一本はかなり接戦だった」
烏丸「どうだった?戦ってみて」
夏海「……楽しかった……」