第17章 ボーダー復帰
最後の言葉に全員が息を飲むのがわかった
薄々、気づいていたのだろう
風間「それでも朝霧のお陰で何人もの命が救われたことは確かだ」
夏海「どうしてそう言い切れるんですか?」
風間「それは…………」
夏海「風間さん……………珍しく歯切れが悪いですよ?
気を遣わないでください」
烏丸「…………なら、最後に太刀川さんと風間さんのランク戦観ていってくれないか?
それでそのあとどうするか夏海が決めればいい。夏海が決めたことに文句は言わない」
夏海「…………わかった。これで最後」
出水「おい、いいのかよ?」
烏丸「はい」
時枝「京介がそういうなら俺は文句はないよ」
その言葉に出水先輩は舌打ちをしてソファーにドカッと座った
それぞれがそれぞれの位置につく
風間さんと太刀川さんが画面にうつった
二人がぶつかり合う
夏海を見るとだんだん目が輝いているのがわかった
十本勝負で今は6本目だ
風間さんが一本リードしている
ただ、今の6本目風間さんが追い込まれている
風間さんがステルスを起動させた
太刀川さんはそれに対応するためか2本目の弧月を抜く
顔もさらに真剣な顔になった
風間さんは太刀川さんの背後に姿を現し、スコーピオンで斬りかかった
太刀川さんは少し反応が遅れたが腕に傷をおっただけで致命傷にはならない
太刀川さんもすぐに体制を立て直し斬り返す
そのあとをしばらく互角の攻防が続いた
夏海「すごい…………」
思わず出た自分の声に驚いたのか慌てて口を塞ぐ夏海
だが、周りの人たちはそれを気にしてはいなかった
安心したのか夏海はため息をついた
風間さんがだんだん押されてきた
スコーピオンの耐久力では弧月を防ぎきることはできない
風間さんはどんどん削られていった
だが、風間さんが黙ってやられるわけもなく一旦距離をとり、太刀川さん向かって突っ込んだ
太刀川さんはギリギリでかわす
そのまま流れるように弧月をふった
ズバッ
風間さんの体が真っ二つに切れた
《風間ベイルアウト 3-3》