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ワールドトリガー~大切なもの~

第17章 ボーダー復帰


烏丸side

笑いながらこっちに歩いてくる二人を見ていると、隣で座っている夏海が俯いていた
さっきまでは目をキラキラさせて観ていたのに
やっぱり何か抱え込んでいるらしい

太刀川「次、風間さんやろう!」

風間「わかった」

二人が歩いていく

その時夏海が立ち上がってそのまま黙って歩いていく
太刀川さんと風間さんもこちらを振り返って心配そうに見ている


俺は夏海の腕を掴んだ

烏丸「どこに行くんだ?」

夏海「別に…………京介には関係ない……」

振り返って言う夏海の目は淀んでいた

烏丸「関係ある。ここにいる皆はお前を心配して集まったんだ」

夏海「私はそんなこと頼んでない。………ほっといてよ」

佐鳥「朝霧………」

夏海「私はボーダーをやめる。だから、私たちは赤の他人。仲間でもなんでもない。

……だから、私がどこにいこうと京介たちには関係ない」

そういって手を振り払われる

烏丸「本気で思ってるのか?」

夏海はこっちを向かない

烏丸「少なくとも俺はまだ夏海を仲間だと思ってる。

さっき、緑川と米屋先輩のランク戦を観てるとき、目をキラキラさせてた。

本当はまだ戦いたいんじゃ「うるさい!!」……っ!!」

急に叫んだ夏海に全員が身体を強張らせる
周りにいた人間も驚いて見ている


夏海「私はボーダーを辞めたいって言っていってるの!それを京介にとやかく言われる筋合いはない!!」

風間「…………朝霧…泣いてるのか?」

そう言われて気づいたのか夏海は目元を乱暴に拭った

夏海「……もう、見たくない」

太刀川「何でそこまでボーダーにいたくないんだ?」

出水「ちょっと!太刀川さん!」

太刀川「俺はそれを聞かないと納得できない」

夏海「…私は誰一人守れない。見ていることしかできない、弱い、クズだってわかったからです」

風間「朝霧が弱い……!?」

緑川「夏海先輩は強いよ!」

夏海はそれを聞いて顔を歪める

夏海「その言葉が私を舞い上がらせた。自分は役に立ててるんだ、ってね」

米屋「いや、実際強いし、役に立っただろ?
B級合同と人型やったときだって」

夏海「私がいなくても倒せてましたよ。東さんがいましたから。私がいったことも東さんはわかってた。……それに、私はC級隊員を見捨てたんです……!」

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