第16章 最悪の目覚め
烏丸side
夏海が退院してから6日がたった
林藤さんたちに夏海がボーダーと距離を置くと聞いたときは開いた口が塞がらなかった
そして俺は出ていく前に夏海と会った迅さんとレイジさんを責めた
烏丸「どうして止めなかったんすか!?」
迅さんたちはなにも言わない
小南先輩も驚いていた
迅「夏海を止めることができるのは俺たちじゃない」
そこまで言って迅さんは俺を見た
迅「お前だ。京介」
烏丸「俺………すか?」
迅「まあ、一筋縄じゃいかないけどな」
俺は今やっとその意味がわかった
俺は出水先輩や米屋先輩、時枝らと一緒に休み時間になると夏海の様子を見に行くが、親友の要が寝てるといってまともに話ができなかった
そこで俺たちは要に協力してもらうことにした
烏丸「朝霧」
要「今日も寝てるよ。……何、今日は一段と人数が多いね」
そう言って俺の後ろにいる人たちに向かって言った
烏丸「本当に寝てるのか?」
要「寝てるよ」
嘘を言っているようには見えなかった
俺たちは要を屋上に連れていった
要「で、用件は何?」
烏丸「協力してほしい」
要「協力……?」
俺は作戦を説明した
まず今日の放課後に要に夏海を校門に連れてきてもらう
そのあとに本部につれていって模擬戦を見てもらう
という内容だ
実際はもっと複雑だが簡単に説明した
要「内容はわかった。でも、できない」
出水「ハァ!?何でだよ!」
要「あなたたちボーダーが信用できないからよ。
確かに夏海はボーダーに入ってから明るくなった。ちゃんと笑えるようになった。それについては感謝してる…………。
でも、夏海を今みたいにしたのはボーダーのせい。
もしボーダーに戻ってまた組織に利用されないって断言できる!?」
俺たちは黙り込んだ
返す言葉が何も見つからなかった
そんな中時枝が口を開いた
時枝「確かにボーダーに利用されるかもしれないけど、その時は俺たちが守るよ。それは約束する」
米屋「それに俺たちはあいつに戻ってきてほしいんだよ」
要「どうして?」
出水「なんかわかんねーけど、朝霧が本部に来なくなってから皆寂しそうなんだよ。
朝霧が来る前の本部に戻っちまった。
本部はもとからうるさいところたったけど朝霧が来てからは皆楽しそうだったんだ」