第16章 最悪の目覚め
ドアを開けた五月の手にはコップとお菓子が乗ったおぼんが握られていた
五月「ごめん。遅くなって」
夏海「いーよ。私も来るのが早かったし」
私たちはお菓子を食べながらいろんな話をした
五月「あっ、そうだ!」
五月がなにかを思い出したような声を出した
五月「そういえば、うちの高校ってボーダーの提携校……だったっけ……?
まあ、だからボーダーの人たちと結構会うんじゃないの?」
すっかり忘れていた
夏海「どうしよう……」
五月「支部の人も一緒の高校なんでしょ?」
夏海「うん、そーなんだよ。
京介も出水先輩、陽介先輩、他にもいろんな人がいるんだよね」
そんなことを話していると晩御飯を食べる時間になった
下に降りるとおじさんが帰ってきていた
夏海「こんばんは、おじさん」
五月父「おー夏海ちゃんじゃないか!いらっしゃい」
夏海「お邪魔してます。今日からよろしくお願いします」
五月父「うん。こちらこそよろしく」
私たちは揃って晩御飯を食べ始めた
玉狛とは違う楽しさだった
そのあとはケーキを食べてお風呂を借りた
夏海「あー気持ちよかった!」
五月「そうだ。夏海寝るのはどうする?」
夏海「う~ん……たぶん寝れないから休んでいた分の勉強しながら、合間に寝るよ」
五月「わかった。でも、あまり無理しないようにね。
…………はい、これノート」
夏海「うん、ありがと」
休んでいた分のノートを渡してくれた五月にお礼を言って机に向かった
五月「じゃ、私は寝るね。おやすみー」
夏海「おやすみ~」
五月が寝息をたて始めたのを確認して、イヤホンをして音楽を聴きながら勉強をし始めた
一時間したら30分寝る、というリズムでやっていった
30分以上寝るとあの夢を見てしまう
主要教科すべてが終わって窓を見ると日が登りかけていた
私は下に下りて、適当に野菜と卵をとって朝御飯を作り始めた
しばらくするとおじさんが起きてきた