第16章 最悪の目覚め
夏海side
夏海「…ハァ…………ハァ………」
医者「少しは落ち着いたようだね」
夏海「……はい……すみません」
しゃべろうと思っても、さっきまでずっと叫んでいたせいで、喉がいたかった
医者「…で、どうしていきなり叫びだしたんだ?」
私は痛む喉を押さえながら話した
夏海「大規模侵攻のとき、C級隊員がさらわれるところをみていたんです。C級隊員は民間人の避難誘導をしていて、でも……戦ってはいけなかったんです。
私はその時近界民と戦っていました。それをみたときは私が仲間に指示を出している途中でした。だから、集中するためにそこは見ないようにしていたんです。
でも……、その結果C級隊員は32人もさらわれてしまって………その時の…映像が………頭のなかに流れ込んできたんです」
話している間に涙が出てきた
先生は私のサイドエフェクトのことを知っている
以前もサイドエフェクトの使いすぎで倒れて、入院したことがあったからだ
夏海「四年半前のとき家が壊れたり、人がさらわれていく映像とかが流れてきて………」
私が話終わったあとも先生はしばらく黙ったままだった
医者「なるほど……。
だが、その力はあまり使うなといっただろ?」
夏海「はい……」
医者「まあ、過ぎてしまったことだが……確か四年半前、家族がなくなった時にサイドエフェクトに気づいたんだったな」
夏海「はい…。目の前で殺されたときに……」
医者「まあ、しばらくはサイドエフェクトを使わない方がいい。わかったね?」
夏海「はい…」
医者「よし。じゃあもう寝なさい。疲れているだろう」
窓の外をみるとすでに日は落ちていた
私はベットに寝て、布団をかぶった