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誰よりも輝いて【黒バス 笠松 幸男】

第9章 初恋はウソの味




正直、廉が幼馴染みだってこと、前田くんと辰巳くんと同じ小学校の出身だってこと以外、私は彼らと関係ない。




同じ教室に居ても、彼らは教室の中心にいる人気者族。





一方の私は……





ひとり、教室の片隅でコツコツと勉強して、



取り敢えず英検を秋に受けようかなぁ…とか考えてる、
窓際真面目族。




廉とは気が合うけれど、それは積み重ねた時間の長さによるものだから…。




本当に違う。



【彼ら】と【私】




特に、キラキラオーラ満載の【矢吹くん】とは、




明らかに持っている才能の量とかが、違う気がしていた。




でも………




「なぁ?今日は部活終わるまで待ってろよ?いいな?」




「わかったけど……。」




ある日の放課後、廉に突然話しかけられたときのことだ。




「廉ばっかズルい。俺も玉利と一緒に帰りたい。…いい?」



そう、何故か矢吹くんは言ってきたのだ。




「…う、うん。別に構わないけど…」




本当は嫌だ。




矢吹くんは好きだけど、正直、矢吹くんファンの女子は嫌いだ。




私がよく話しかけられるのを快く思っていないみたいで、あからさまに睨みつけてきたりする。




……正直、、


大嫌いだ。




それから、先に部活が終わった廉の背中の汗をハンドタオルで拭いてあげていたら、矢吹くんがやってきた。




…別に廉の背中の汗を拭いてやるくらいなんてことはない、小さいときから何回もやってることなのに…




何故か矢吹くんに見られたくなくて…





その瞬間、私は思わずハンドタオルを廉に向かって突き出した。




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