第10章 前に進んで
それから3時間くらいか、ぶっ通しでバスケし続けていた時、たまたまあたしが最後に触ったボールがコートの外から出てしまった
そのまま転がっていたボールは出入り口の方に向かってしまい、このままでは道路に行ってしまうのではと考えた瞬間ボールが、跳ね返ってきた
「どういう、こと…?」
クエスチョンマークを浮かべる彼らを他所に征十郎は1人ボールを取りに行って、戻ってきてあたしに渡して「どういうことか説明しろ」と有無を言わせないオーラを醸し出しながら言った
「さっき、プレゼントをもらった時から考えてた
来る順番が同じだなー…とか呑気に考えてたんだけど…多分あたしこの場で、消える」
そうボールを見ながら言うと次の瞬間近くに居た涼太があたしの服の首元を掴んで、詰め寄った
「なんで…何でアンタは毎回急に消えていくんスか!」
問いなのかは分からないがそれに答えられず目線を逸らしながら「…ごめん」と言うと彼は怒りのやり場がなくなったのか「クソッ」と言って手を離してなぜか火神を連れてコート外へと歩き始めた
そんな彼に「待って!」と声を掛けたが時既に遅く、コートの外への出てしまった
前回あたしは彼らが外に出ることにやって身体が透けていき、最終的に消えたはずで…と考えていると、涼太がこっちを向いた
「あ、れ?何でオレこんな怒ってたんだっけ…」
「は?黄瀬?」
「りょ、うた」
「あ、みんなもうバスケやってるんスか!?オレも入れてくださいっス!」
彼の反応に違和感を抱きながらも様子を見ていると彼はフェンスの中に入ろうとしていたが、ガンッ!と彼の頭に何かがぶつかった
「イッテ…何スかこれ!」
「…まさか」
「…黄瀬、コイツの事を知っているか」
緑間のコイツとはどうやら指を刺されているあたしのようで、涼太の視線があたしの顔に刺さった