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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《3》

第10章 前に進んで




「あ、名前っち!緑間っち紫原っち!おはよっス!」


「あ、おはよ涼太」「おはよ~黄瀬ちん」「ああ、おはよう」


「来る途中女の子達追いかけられちゃって…それでも普通に逃げて来たんスよ~」


「運動部が女子に負けてどうする」


「…スイマセンっス」



しょぼんとしてる彼を見ていると次の瞬間彼は「あ!名前っち!さっき絶対名前っちに似合うもの見つけたんスよ!」とカバンを漁り始めた

そして見つけたのか、にこにこと笑いながらそれを差し出してきた




「メイク道具一式っス!」


「…色んな意味で重い!」


「安いやつっスよー、小さいし
何回か名前っちがメイクした姿見てすごい可愛かったんで~…お代は今度メイク姿見せてくれればいいっスよ!」


「グロスだけなら今付けてあげるけど」


「あ!オレ!オレがつけるっス!」



彼はそう言ってあたしの手にあるメイク道具が入ってる少し大きめのポーチからグロスを取り出して、あたしのことを凝視してから「目、瞑って下さい」と言った

それから彼はグロスをあたしの唇に塗り始めた




「黄瀬ちん、名前ちんに何つけてんの~?」


「グロスっス!唇がふっくらしてキラキラして見えるんスよー!」


「…ポテトチップス食べればそうなるけどー?」


「それとこれは別なんス!」



それからおよそ10秒後、彼から終了の合図が出され目を開けて、メイク道具が入っているバッグに入っていた鏡で唇を確認するとそこだけ、目立っていた

そこにバタバタと走って大輝とさつきがやってきており、その後ろの方からテツヤと火神の姿を確認した




「よう、朝から天ぷら食ってきたのか?」


「大ちゃん!」「青峰っち!」


「さっき黄瀬が苗字にグロスを付けていたのだよ。だからだ」


「グロス?」


「つけると唇がふっくらしてキラキラして見えるんだよ!おはよ名前ちゃんすごい似合ってる!」


「ああ、おはよ2人とも」


「テツ君は!?」


「あそこ」


「おはようございます」


「テツくーん!!」


そう言ってさつきは黒子の元へ走り出し、いつものごとく抱きついた





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