第2章 親善試合
「あっ…!」
笠松が気づいた時には遅く既にパスを受け取っていた選手がシュートを決めていた
その一瞬の出来事に観客は「うわぁあなんだ今のドリブル!?からのエルボーパス!?すっげーカッケー!!」と盛り上がっていた
悔しそうな顔をする宮地に対し相田は「スッゴォ…」と驚きで口を開けた
しかし次からのプレーは宮地の頭にボールをぶつけたり、今吉を転ばせたり、舌を出して挑発したりとひどい内容だった
それを見ていた火神と青峰は場所は違えど、同じような事を言っていた
「…いや、けどこれは…」
「…やりすぎだろ」
「…え?」
「ストバスのプレイで相手を挑発したりおちょくったりするのは珍しくもなんともねぇ、むしろ高等技術。キメたらクールってもんだ
けどアイツらはそれしかやってねぇ。見下してる感じがモロに出てんぜ」
それは他の「キセキの世代」も感じているのか、何も言葉を発さずに無表情で画面を見ていた
だが青峰だけ、その場で話を続けた
「観客もそれを感じとっている。観たかったのはJabberwockのプレイだったとしても、ここまでStrkyがボロカスにされるとはしゃぐにはしゃげねーよ」
「…たっ試合終了!!さ、さすがJabberwock、圧倒的ー!!」
最後、Jabberwockのシルバーがダンクを決めると共に試合は終了した。結果は86対6という結果であったが、観客は誰も盛り上がりを見せなかった
それからナッシュに笠松が「…あざす」と握手を求めに行くと彼は冷酷な目で彼を見て、そんな彼らの近くに記者が近寄った
「あっあの…すばらしい試合でしたねっ!よかったらファンの皆さんに一言…」