第7章 「天帝の眼」と「魔王の眼」と「本気」
「1つ訂正があります。先ほど外は使えないと言いましたが、ウチの長距離砲はまだ死んでいない。3Pで差を詰める
とは言え賭けたが…できるか真太郎」
「…フン、なるほどな。賭けとは心外なのだよ。オレは常に人事を尽くしている、無論今日もだ
オレのシュートは、落ちん!」
その会話が終了すると試合は再開され、ボールは赤司が持っていた
しかし変わらず緑間にダブルチームがついている状況を見て日向は「3Pで差をつめるったってこの状況…いったいどうやって…」と焦っていた
だが高尾は分かっていたのか、首を掻きながら口を開いた
「…オレわかっちゃったんすけどーいやあ…フクザツっすねーぶっちゃけ。勝つためには成功して欲しい。けどできたらできたでなんか悔しいっつーか…」
その会話が聞こえているのかは分からないが、緑間にはつい先程赤司と話した会話が浮かんでいた
「僕には天帝の眼がある。それでも不安はないか真太郎」
「…フン、くだらんことを聞くな赤司、お前と何年同じチームでやってきたと思っている。初めてこの技を成功させて以来、オレはあいつのパスを疑ったことはない
だがそれはお前も同じなのだよ、赤司」
それを思い出しながら緑間はボールが手にない中シュートモーションに入り、跳んだ
その様子を見たマークの2人は目を見開いたが、赤司は彼へパスを出した
「…っとに、カンベンしてほしーわ。完ペキだっつーの…!」
高尾が言うだけあるのか、そのシュートはリングに掠りもせずネットを潜り、得点を重ねた
「決まったぁー!!」
「とってそのままって…マジかよ!?」
「あれは秀徳の緑間・高尾のコンビ技…空中装填式3Pシュート!!」
「よぉっしゃー!!」
攻守交替で苦い顔をする12番は火神のブロックに大勢を崩されたがそのままボールを放り、得点を重ねた
それに「あれ入っちまうのかよクソ…」と火神が悔しがっていると、緑間が「気にするな今のは偶然だ。次止めればいいのだよ」と言って追い抜いていった
「アイツがオレにあんなこと言うなんて…テンションあがってやがら、今日のアイツはマジで落なさそうだぜ…!」と笑った
「なにより…こっちは3点ずつだ。じきに追いつく」
緑間はそう言いながら、またシュートを決めた