第7章 「天帝の眼」と「魔王の眼」と「本気」
「(理由はそうだけど…指揮官はいないしT.Oもとらない。それでも各自の判断でキッチリ対応してくる。悔しいけど頭もいいわ…!!)」
「(けどつまり1人フリーになるってことだろ!)」
その考えにたどり着いた火神は「ヘイ!」と赤司からボールを受け取り攻めに行った。だが彼の前にはシルバーが立ちはだかり、それに赤司は「戻せ!」と指示を出した
それから赤司は紫原にパスを出し、紫原はアリウープを決めた
「よぉしナイッシュー!!」
「(ふぅ…得点はしたがヒヤヒヤもんだ。黄瀬がリタイアしてシルバーが復活しちまった、緑間へのダブルチーもそれがあってだ
立ち直るにしてもストレスが消えた途端とはフザけたヤローだ。単純さもここまでくりゃあ長所だぜ)」
そう景虎が考えていると赤司が彼にアイコンタクトを送っており、気づいた景虎は意味が分かったのか手をあげた
それからボールはナッシュの前で赤司が立ち塞がっており、彼は仕方なく背面から7番へとパスを出した
「(巧い…!パス直前に天帝の眼の射程距離からギリギリ外れてる。まさか…もう見切ったのか!?)」
[(だが出させられただけのクソパスだ。イラつかせやがる…正直驚いたぜ、まさかあの眼を持ってる奴がこんな島国にいるとはよ。このままだと…オレも使うことになりそうだ
予備動作なしみてぇな技じゃねぇ、本当の切り札ってヤツをな)]
先程ナッシュからボールを受け取った7番はシュートブロックをする青峰を前にして6番にパスを出し、得点を重ねた
それが決まると同時に、T.Oが出された
「現状を確認するぞ、今こちらのOFは緑間のチェックが厳しく外はまず使えない。かと言って中もシルバーの脅威がある。さっきは決めたがいつ止められてもおかしくねぇ
逆にDFはシルバーにボールを渡さないように守っているが、それでも他の4人も「キセキの世代」と遜色ない手練だ。それだけで止められるほど甘くはない」
「次は止めるに決まってんだろ!」
「ああ…いつ止めてもおかしくねぇ。つまり両チームほぼ五分五分、流れを引き寄せるような決定打がねぇ
むこうはまだしもこっちはそれじゃ困る。ここで黄瀬が作った流れを途切らせたら追いつけねぇ」
彼の話を聞いていた赤司は「決定打はあります」とタオルで汗を拭いながら、話しを始めた