第6章 「ゾーン」と「模倣」
[…あ”あ”
?テメェ…いったいどういうつもりだ!?]
「いやいや状況考えりゃだいたい伝わるっしょ?お前ごときオレ1人で充分だっつってんだよ」
[この…ク・ソ・カ・スがぁ~]
彼らの様子を見ていた火神は「あいつらまさか…」と目を開き、紫原は不満そうな表情を、赤司は黙り込んで様子を見ていた
だがしかしベンチでは相田と桃井が不安そうな表情で青峰と黄瀬を見ていた
「ちょっと2人共…!?」
「いくらなんでも調子に乗りすぎじゃ…」
「…いいや、逆だ。あいつらに余裕なんてねぇ、あれはそれを悟らせない為の演技だ」
「…え?」
「誤算だったぜ…この作戦は青峰・黄瀬のダブルチームでシルバーを抑え、紫原が6番と7番をカバーする予定だった。だが、その2人…特に7番の実力が想定を上回っていた。紫原の守備範囲をもってしても止められない程に
おかげで一見押しているように見えるが肝心の点差が縮められてねぇ。そしてもう1つ…ダブルチームの方もやはり相手は怪物…予想以上に消耗が激しく、このままでは2人とも体力が保たせるべき場面のはるか手前で尽きる
黄瀬はそれを悟り、そしてある決断をした。青峰の体力を温存するために。例えここで自分の体力が尽きる事になってもシルバーを1人でくい止めることを」
「それじゃ黄瀬は…勝機を繋ぐ為に自分を犠牲にするつもりで…!?」
その答えにたどり着いた彼らは不安そうな顔をして、黒子は心配そうに顔をあげ、黄瀬を見た
彼はシルバーのシュートを青峰のチェンジオブペースで追いつき、紫原のブロックを模倣して見せブロックした
「うぉおブロックー!!すげぇぞ黄瀬!」
「マジで1人であのシルバーを止めたぁ!!
[バカがまんまと挑発に乗って冷静さを失いやがって…!崩しも甘い。あんな雑なプレイじゃ当然の結果だ!]
そう思うナッシュに捕まる前に赤司は黄瀬にパスを出し、彼の様子を見た早川は画面越しに「いけぇ黄瀬!!」と応援をしていた