第6章 「ゾーン」と「模倣」
「バックステップからのフェイダウェイショット…」
「日向の不可侵のシュートと似た技だな…!」
「ただ少し違うのはバックステップ。ヒザを曲げるんじゃなく抜く…瞬時に地面を蹴る動作に入れる高等技術だ」
「(日向のステップは瞬発力がなくても速さを出すやり方だ。ある者ならばその技術を使ったほうが数段早く動ける…が、これも自然に身に付けるもんじゃねぇ。バスケエリート上がりはナッシュだけじゃなかったか…)」
そう考える景虎は汗と垂らし、コート上にいる黄瀬と青峰も何か考えているのか視線を交わしていた
試合が再開されると黄瀬は緑間の長距離3Pを模倣し決め、ようやくJabberwockの選手は黄瀬が他の選手が模倣をできるのだと気づいたようだった
それからJabberwockのOFにうつると紫原は6番が移動し始めた事へ反応が遅れ、対応をしようとしたが7番のスクリーンによりシュートを止められなかった
しかし反撃で火神から青峰へのパスで、すぐさま青峰はシュートを決めた
「超速攻ー!!一瞬でやり返したー!!」
「いける…いけるぞ!!がんばれーVORPALSWORDS!!」
[ちっ…!あがきやがって…]
それから攻守交替して黄瀬と青峰がシルバーに着くと、黄瀬は唐突に「…なーんか、ダブルチームはちょっとやりすぎだったんじゃないっスかねー」と話始めた
それに青峰は「あー?」と返し、それにまた「青峰っち、こいつオレに任せてくんないっスか?」と言った
彼は少し黙り込んでから考えの意図が分かったのか「ったく…」と言った
「じゃあ黄瀬、お前が先でいいぜ」
「ええ!?珍しくないっスか、いいんスか!?」
「先でっつったろ、テキトーな場面で代わんだよ!」
「あーはいはい」
青峰はシルバーから離れ7番のマークにつき、そっとゾーンを解いた
彼らの様子を見ていたシルバーは歯ぎしりをして、黄瀬を睨みつけた