第5章 点差
紫原が苗字によって処置を施されている時、VORPALSWORDSは焦りを感じていた
「(いよいよやべーぜ…!このカンジ…間違いない!!これは…)」
[ふうー…ナッシュのおかげで一気にやりやすくなったぜ。思う存分暴れさせてもらうぜ、覚悟しとけよクソ共。全員残らずブッつぶしてやるよ]
「「野生」…!!それもオレたちとは別格の…!!)」
[さすがにサルでももう分かったろう?お前らがあの手この手であがこうが、オレがちょいとパス出しゃ終わりなんだよ
シルバーを止めようとすりゃあ他が止められねぇ、他を止めようとすりゃあシルバーが止められねぇ。要はサルの浅知恵なんざ役に立たねぇほど、根本的に格が違うんだよ
よかったなぁ前半は…希望が見えてた、いけるかもと思ったろう?勝てるかもと思ったろう?
嬉しいぜ、そのために前半は抑えてプレイしてたんだからよ
ここからは歯軋りしながら思う存分絶望してくれ。ざまあみやがれサル共が!]
それからの試合は一方的で、攻撃することが不可能だった
「点差が、一気にひらき始めた…!」
「マジでダメなのか…キセキの世代達の力を合わせても、勝てないのか…?」
「頼む…止めてくれ、この開く続ける点差を…誰か…!」
そう誰もが懇願する中、点差が19点差にまでなり第3Qの残り時間が5分になった時、選手交代が言い渡された
黒子から赤司に交代されたのを見た若松は「ぐっ…」と何か言いたげに立ち上がった
「やっと選手交替って…もっと前に何か手はなかったんすか!?」
「…」
「そっすよ、今出した赤司にしてももっと早く出せば…赤司は自分以外もゾーンに入れることができるはずだ
あいつらが全員ゾーンに入ればもっとやれたんじゃ…」
高尾の言い分に景虎は「…それはできねぇ」と返し説明を始めた
「理由は2つある。1つは時間、今それをやっても最後まで保たねぇ。ガス欠になった所でとどめをさされて終わりだ
もう1つ…というか、こっちがそもそも問題なんだが…赤司のその味方をゾーンに入れるきっかけを作るパスはナッシュが封殺している」
「なっ…?!」
「理由はわからねぇが…前半何度が試みて明らかにタイミングをズラされていた」
「(そんな…それじゃあもうどうやっても…)」