第5章 点差
「…もし違うと思えばオレも反論する、だが今は監督の判断が最良だ…何より1人の勝利とチームの勝利、どちらが大事かなどもう痛いほど知っているだろう。青峰もいいな」
「…あーわってるよ」
耳をほじりながら青峰も少し不満そうに返事をし、桃井はその様子を見て微笑んだ
そしてユニフォーム姿に着替えた黒子は「じゃあ行きましょう」と声をかけ、「おお!!」とコートへと歩み始めた
コートに入ってきた黒子を見て、Jabberwockの選手は[ブハッ!?昨夜店に来たガキ、マジで出てやがる]と話を始めた
[…あ?うおホントだ!つうか再開してもすぐに気づかねーってどんだけショボいんだよ!?]
[シルバーのプレイに腰抜かして早くも勝負投げたかぁ?]
その会話の内容を黒子はわかっているのか、真剣な眼差しで彼らのことを見ていた
そしてすぐに試合は再開され、シルバーにボールは渡った。だがシルバーは今までとの違いに気づき、[あん…!?]と紫原を見た
[(パワードリブルで押し込めねぇ…!?コイツ…パワーが上がってる…!?…と言いてえが、押し返すのに全力使っちまってるだけだろーが!
そんなんでオレ様のスピードに反応できるワケねぇだろうが!!)]
ターンをして紫原を抜き、ダンクのため跳んだシルバーを画面越しに見た劉が「ダメだ…」と呟くと、シルバーの前から火神が跳んでおり、誠凛の体育館では声があがった
「まだだあ!!」
[(なんだコイツは…!?オレ様と同じくらい跳ぶだと!?)
だが1人で止められると思ってんのか!バカが!死にやがれ!!]
「誰が1人っつったよ。そのバカだけじゃムリに決まってんだろーが!!
しょーがねーから手伝ってやるよ」
「はあ!?なんだそりゃ、じゃいらんわ!!」
そう言う火神の後ろから青峰が来ており、跳び、シルバーの持っていたボールを弾き飛ばした
そのプレイには観客も声をあげ、ベンチでも控えが立ち上がり、Jabberwockの選手も驚き[なんだと!?]と声をあげた
「どうだぁー!!」と声を出す青峰と火神に対し紫原は冷静にボールを取り、誰もいない所へパスを出し、黄瀬はゴールへ向かい走り出した