第5章 点差
「…けど」
「…ああ(確かに今押しているのはウチだ…が、イメージほど点差がついていねぇ
奴ら押されてるようでも要所要所でキッチリ決めてきやがる。基本的なプレイも精度と質がクソ高ぇ…!想像よりはるかに厚みのある強さだ)」
相田親子が得点板に表示されている20対16と言う数字をみながらそんな事を考えている時、タオルを渡している桃井は選手達がすごい量の汗をかいていることに気づいて「それに…みんなもうこんなに汗を…!?」と驚いた
「(第1Qでこんなに消耗してるみんなは初めて見る…それほど力と速さがある相手なんだわ…)」
「まさかこのメンツの全開スタートでも押し切れない相手がいるなんて…初体験かも、正直ビックリっスわマジ」
「…ああ…最高だぜ。相手にとって不足なしだ」
そう笑った青峰の姿を見た他の選手はほんのりと笑みを浮かべたが、唯一紫原のみ溜め息を吐いて「だからさ〜…」と何か言おうとしていた
だが彼は何も言わず、黒子はその様子を見て何か考え事しているようだった
一方、Jabberwockチームは[驚いたぜ。想像以上にやりやがる]と言って話を始めていた
[試合でリードされたことなんてUSAでもここ最近記憶にねぇ、日本にもあんな奴らがいるとはな
…まぁやるっつってもサルにしてはの話だがな。なぁシルバー]
[…ああ、そろそろ教えてやるか。力の差ってもんを]
そう言いながらシルバーは飲んでいたスクイズのボトルを握りつぶした
そしてそこで休憩は終わり、Jabberwockボールで試合は再開された
ナッシュに回されたボールをシルバーに回すため、7番が紫原にスクリーンをかけてボールを受け取りに行った
そんなシルバーの前には青峰が立っていた