第4章 ムチャをするな
[今夜の相手は…お前だな]
「…は?ギャッ」
[俺達に用が、できたな]
彼女の制服のタイを引っ張り引き寄せたナッシュは彼女の顎を掴み、顔をまじまじと見つめ始めた
そんな様子に景虎は「苗字!ここはいいから離れろ!」と指示をしたが、彼女は笑みを消して「…離せよ」と言った
日本語で言ったため理解できなかったのか、ナッシュが[おい、英語で喋れよ]と言うと彼女は[離せって、言ってんだよ!]と言って彼に回し蹴りを決めた
[…テメェ]
どうやら怒ったナッシュは彼女の事を黒子の時とは比にならないほどの強さで蹴り、気づくと彼女の身体が吹っ飛んでおり、先ほど黒子が吹っ飛ばされ突っ込んだテーブルの辺りに居た
苗字がふと手をつくと、グラスの破片が色々な所に刺さったのか痛みを感じており、顔を歪めていた
蹴られた腹を抑えながら彼女は上体を起こして、Jabberwockの方を見た
[女がオレに喧嘩売ってんのかよ]
[先に手を出してきたのは…アンタ…でしょ]
[まあいい…後で相手してやるよ。先にお前だな…]
そう言ったナッシュは黒子の方へ足を進め先程のように前髪を掴んだ。その様子を苗字は悔しそうに見ていたが「黒子!」と言いながらナッシュを殴ろうとした火神と、彼らを心配した6人がきた
火神の拳をナッシュはひらりと避けたが、苗字は彼らの姿を見てホッとしたように目を細めた
そんな倒れている2人の様子を心配した黄瀬が声を掛けた