第11章 🍏Story10🍏 本当の気持ち
「......それとも、好きな人のこと?」
「っ!?」
また琴吹の様子が変わった。
やっぱり琴吹にだって好きな人くらいいるよな......
「......その様子だと、そうなのかな?(苦笑)」
ちょっと面白可笑しく言ってみる。
そうでもしないと、自分の感情が持たないから......
「っ違います!先生がs..じゃなくて!とにかく違いますから!」
「今先生って言っただろ(笑)
誰先生?」
先生......やっぱり高地が言ってた噂は本当で、
琴吹は、藤ヶ谷先生のこと好きなのかな......
「っだから先生が好きって言ってませんから!」
“先生が好き”......やっぱり、
藤ヶ谷先生のことだ......。
「いやいや!俺は『誰先生が好きなのか』って聞いてるわけじゃねぇよ(笑)
今先生って言ったから誰先生のことかなぁって!」
「っ......!」
図星だ......やっぱり琴吹は......
「......もしかして琴吹、
藤ヶ谷先生のことが好きなのか?」
「ぇ......?」
思い切って言ってみたけど俺、マジで何言ってんだろ......
「っ別に、人を好きになるのに立場とか関係ねぇと思うよ......
生徒が先生を好きになるのも、
先生が生徒を好きになるのも......
アリだと、俺は思うけど......」
「っなに、言ってるんですか?」
「っだってそうなんだろ!?
っお前は、藤ヶ谷先生のことが好きなんだろ!?」
つい声を荒らげてしまった......琴吹は小さい身体を震えさせていた。
「っ違います!私が好きなのは!......っなんでも、ないです......
私は、授業に戻らせていただきます。
これ以上他の先生に心配されたくありませんから......」
そう言うと琴吹は保険室を出ていき、走って自分の教室に戻っていった。
「っくそ......俺、
何してんだよ......」