第10章 🍏Story9🍏 それぞれの思い
「......。」
「......。」
ふたりの間に沈黙が続き......
「っ百合、怒ってるか?」
「ううん、もう過ぎたことだし......」
そう、それはとっくに過ぎたこと......
今悔やんでも戻るわけじゃないし......
「本当に済まない......お詫びになんでもするよ。
これくらいじゃ俺は許されないかもしれないけど......
せめてそれくらいはさせてくれ。」
「お兄ちゃん......」
私、お兄ちゃんに襲われちゃったけど......
私のお兄ちゃんはお兄ちゃんでよかったかもしれないなぁ......
「っじゃあ......」
「なにか、欲しい服でもあるのか?」
「ううん、相談に乗って欲しいんだけど......」
「相談?そんなのでいいのか?」
「うん......」
ちょっとお兄ちゃんに、優吾のこと相談してみようかな......
お兄ちゃんが早く帰ってくるなんて滅多にないし......
こうして百合は兄に相談してみることに決めた。
「なにか学校であったのか?」
「まぁ、そんなとこかも......実はさ......」
百合は放課後、優吾に告白されたことを言い
その後はどうすればいいかと薫に話した。
「そうか......優吾が......」
「ねぇお兄ちゃん、どうすれば......いいのかな?」
「どうすればと言われてもね......百合はどうしたいんだ?
それがわからないと、俺は何も言えないよ(苦笑)」
「優吾とは、今までみたいに仲良くしたいの。
でも私......逃げてきちゃって......」
「......優吾のことは?男として見たことあるのか?」
「ううん......ただ、一番仲がいいかなってくらい......」
「......そうか」
優吾......今頃何してんだろ?
私のせいで、部活大丈夫かな......