第10章 🍏Story9🍏 それぞれの思い
百合side
_カリカリカリ「......。」
百合は自分の部屋の机に向かい、宿題をやっていた。
__それから10分後
「......はぁ、」
シャープペンを置き、溜息をつく百合。
そして壁に飾ってあるフォトボードに目をやった。
そこには小中学生の時に優吾や友達と撮った写真が沢山飾られていた。
「優吾......」
『百合!サッカーやろう!』
『えぇ!?私運動苦手だし......』
『いいからいいから!俺が教えてやるよ!』
『......うん!やる!』
『百合~......宿題見せて!』
『やだぁ!自分でやってよ!』
『だって分数のわり算わかんないんだもん!』
『だめ!』
『......じゃあ帰りにアイス奢る!』
_ピクッ『うん、見せてあげる!』←
『マジで!?やったぁ!』
(ラッキー★ちょろいちょろい♪)
「優吾は仲のいいお友達としてしか見てなかったのに......
どうしよう......」
机にうつぶせになると...
__コンコン「百合......帰って、来ているか?」
「っ!?......お兄、ちゃん?」
机から顔を上げ体を反らしてドアに視線を向けた。
「百合、帰ってきているんだろ?」
「っう、うん!ごめんねお兄ちゃん......」
「いや、いいんだ......入っても、大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよ......」
まさかお兄ちゃんがこんなに早く帰ってくるなんて......
百合が返事をすると薫が部屋に入ってきた。
「百合......」
「お兄ちゃん......」
「っ昨日は、済まなかった......
酔っていた勢いとはいえ思えを怖い目に合わせてしまって......」
「っううん......今朝は、毛布と制服ありがとう......」
「っいや、あれくらいは当然だろ......」
「......。」
「......。」