第6章 🍏Story5🍏 助けを求めて...
百合Side
「ただいま!誰か帰って来てるの?」
百合は靴を脱ぎながら声を掛ける。
「......。」
だが返事は聞こえてこない......。
「.......。」
(おかしいな......リビングは明かり付いてるし......)
百合は気になりすぐさまリビングに向かった。
リビングに入ってみると...
「っお兄ちゃん......?」
リビングには百合の兄、琴吹薫がいた。
薫はダイニングテーブルに俯せになりながら眠っている、
手にはビールの缶を持っていた。
きっと仕事のストレスだろう......
「お兄ちゃん......お仕事大変なのかな?」
ちなみに薫は百合より7歳離れた24歳でなかなかのイケメン。
さらに身長も高く好青年なので女子社員の人気者だという。
「......お兄ちゃん、ここで寝てたら風邪引いちゃうよ?」
「うぅん......」
「お兄ちゃん!......お風呂に入って寝た方がいいよ?
明日もお仕事なんでしょ?」
百合は自分より遥かに大きい薫の身体を軽くゆすった。
「......んぁ百合~?
お前どこほつき歩ってたんだよぉ......」
「ちょっと優吾の家で御馳走になってきたの......
今日もみんなお仕事が遅いだろうって誘ってくれて......」
(お酒臭い......)
薫からはほんのりお酒の匂いが漂っていた。
よく見るとビールの他にワイングラスもあったりした......
「お兄ちゃん......大分お酒飲んだの?」
(お兄ちゃんってお酒弱いのに......)
「ん~?少しぃだけなぁ......」
「少しどころじゃないじゃん!」
お兄ちゃん大分飲んでるよ!