第5章 🍏Story4🍏 狂うほど、愛しくて...
「さっき琴吹に渡した資料、間違って違うのを渡しちゃったんですよ(苦笑)」
「そうだったんですか?」
(全然資料なんて見向きもしなかったわ......(汗))
「......気づかなかったんですか?」
「すいません(苦笑)」
(琴吹に夢中でとかだなんて言えない......(汗))
「......とにかく、こちらが正しい資料です。」
太輔は宏光に資料を渡す。
「ありがとうございます(苦笑)」
「にしてもさっき校庭に琴吹が来たんですけど......
もしかして琴吹ずっとここに居座ってました?(苦笑)」
「ぇ゛......ぁ、まぁ......(汗)」
「ったく、保健室はそういう場所じゃないのに......(汗)
明日にでも琴吹に言っておきます。」
「い、いや!俺が勝手に引き留めて話していただけなんです(苦笑)
だから琴吹は何も悪くないですから!」
(俺のせいで琴吹が怒られてほしくねぇし......)
「......そうだったんですか?」
「はい(苦笑)」
「......わかりました、じゃあ俺はここで失礼しますね。
他にも仕事が残っているので。」
「はい、お疲れ様です(苦笑)」
「じゃ...」
太輔は軽くお辞儀をし、保健室を後にした。
「......。」
(一瞬藤ヶ谷先生の顔が歪んだように見えたのは、気のせいだったのかな......)
宏光は小さな疑問を抱きながら再び校庭に視線を向けた。
「......っあれ!?琴吹達いねぇ!」←
校庭には百合達の姿はおろか、他の生徒達もほとんどいなくなっていた。
「......生徒達もほとんど帰ったし、鍵閉めるか......」
宏光は保健室の鍵を机の中から出し、保健室を閉めることにした。