第5章 🍏Story4🍏 狂うほど、愛しくて...
「なぁ百合!」
「ん?どうしたの優吾。」
「今日もお前んとこ、帰り遅いんだろ?」
「うん。」
「良かったらうちで食べていかね?
母ちゃん、今日百合の大好物のポテトサラダ作ったって言うから
百合に食べさせたいみたい(笑)」
「そうなの?でも......ちょっと悪いよ(苦笑)」
「今さら何言ってんだよ(笑)
せっかくだから来いよ、うちの弟もお前に会いたがってんだ。」
「恵吾君が?」
「あぁ、『百合ねぇに会いたい会いたい!』ってうるさくてな(笑)」
「恵吾ってまだ小3だっけ?
にしても相変わらずの姉ちゃんっ子(笑)」
「うちんちには姉貴っていう存在がいねぇからな(苦笑)
終いには、『百合ねぇと結婚する!』...だし(笑)」
「(笑笑)......恵吾君可愛い~(笑)
わかった!私も恵吾君に会いたいから行く!」
「......。」
ここからじゃよくわからねぇけど、何か凄く楽しそうに話している......
さっきまで、俺に向けられていたあの笑顔も......
あいつ等のほうに向けられている。
「っ......」
そう思うと凄く胸が苦しくなる......
"俺以外の奴に笑顔を向けないでほしい。"
そういう感情が、俺の中で生まれた......
「頼むから......」
俺以外の奴に、その笑顔を向けないでよ......
俺だけに、
その笑顔を見せてよ......