白い小悪魔は誰のもの?~secondseason~
第2章 ★逃避行の先の出会い★
それに気づいた辰也は凄く怒った...
当たり前か...好きなバスケで手を抜かれたんだもの
私だって怒ったかもしれない
試合後、辰也は大我を連れコートから出ていった
私が慌てて追いかけて二人を見つけたときには辰也は大我を殴った後だった
~回想~
氷室『次の試合、このリングを賭けろ!もしまた手を抜くようなら、このリングのことは無かったことにする』
『大我っ!!』
火神『っ、零蘭...』
私は大我を庇うように二人の間に割ってはいる
『やめて辰也...これ以上は』
氷室『大丈夫、今はもう何もしないから。行くよ...』
『ちょっ、辰也!?大我っ、ちゃんと冷やすんだよ!?』
『辰也...歩くの速いよ』
氷室『あっ、すまない...ちょっと色々焦ってたみたいだ』
『焦る?...っん』
氷室『はっ、君が大我を庇った時にちょっとね。君があいつに奪われたんじゃないかって...すまない』
~回想終了~
その後以来、試合おろかコートに大我は姿を見せることはなかった
4月からは日本の高校に通うらしくその手続きのために帰国したのだ
氷室『それで、何を買うんだっけ?』
『えっとね....』
慌ててメモを確認していると、ふと右手に違和感を覚えた
恐らく手を繋がれているのだろう
私はその手を見ずに黙って指を絡める
『取り合えずお土産かな?』
街で欲しいものを買い占めた私は辰也の力も借りて、大量の荷物を抱えながら何とか別荘までたどり着いた
『ごめんね辰也....こんな力仕事手伝わせて』
氷室『何言ってるんだ、女の子にこんな重たい荷物は持たせられないよ。こういうのは、男がするものだ』
『ホント優しいよね、辰也って...』
氷室『レイラ限定だけどね』
ふわりと微笑む辰也は本当に様になっていて私は彼の行動で一々ドキドキしてしまう