第25章 ★赤色王者の猛攻★

？『試合開始！！！』


大歓声の中、いよいよ試合が始まった。まずボールを獲得したのは秀徳。PGである高尾へと渡り、全員が駆け出す。だが高尾は前には進まず、その場で後ろへと放る


そこでは待ち構えていたかのように、緑間が構えていた


緑間『全て正しいだと？笑わせるな赤司。勝ったことしかないような奴が、知ったような口をきくなよ..！』


シュッと放たれたハーフラインからという長距離3Pは、美しい曲線を描きゴールへと吸い込まれていった


緑間『来い赤司、約束通り教えてやる...敗北を』


赤司『...へぇ』





そこから緑間の3Pが猛攻を見せ、その高度すぎる決定率に観客は沸き上がる


？『ノータッチで決まった！！リングにかする気配すらねぇ！』


？『精密機械だまるで！！』


ボールが赤司に渡り、マークにつく高尾は畏れにも似たオーラに気圧されかけながらも、息を吐き集中を高める


赤司が動く、と判断した同時に動いたが、高尾は抜き去られる。すぐに反応し、再び赤司の前へと立ちふさがるが、根武谷にすぐにボールを回され点を決められてしまう


そしてここで第１Q終了のブザーが鳴り、選手達はそれぞれのベンチへと戻り始める


そんな中、高尾は赤司の動きに疑問を浮かべていた


高尾『(どーなってやがる...。確かにうめぇ...スキルもあるし視野も広い。PGとしての完成度はさすがの一言だ。けど手も足も出ないほどの実力差じゃない...これがキセキの世代主将、赤司征十郎！？)』


緑間『.....』


高尾と同じく違和感を覚える緑間は、ジッと赤司を半ば睨むように見つめる


『(恐らくここまでの征十郎はただの様子見。仕掛けてくるのなら次の第２Qから。真太郎達もそれを分かってる...つまり、場が大きく動くのはここから)』




緑間『ナメるなよ赤司。第１Q丸々様子見とは、随分のんびりしているな。まさか、お前の"眼"を使わずに勝とうなどと思っていないだろうな』


赤司『ナメてなどいないよ真太郎。むしろこの上なく慎重に進めているぐらいだ。切り札をそう簡単に切るわけにはいかないさ...ただし、切らずに終わってしまうかもしれないな、このままでは』


緑間『...なんだと？』